サイバー紛争と国際法

1 スペクトラムの見方

サイバー紛争のスペクトラムについては、ここで触れた通りです。

ここで、主体(属性)のところが国家責任の問題とサイバー犯罪のところが実は、オーバーラップしているところが問題になります。

グリーンのところは、国際法の問題ゾーンということになりますが、国内法としてのサイバー犯罪ととらえられるところでもあります。

主体(属性)は、誰が、その問題となる行為をなしているのか、それは、国家の責任を及ぼすのか、という観点の問題です。

2 国際法との関係

このスペクトラムと国と国との関係について考える国際法との関係をみるときに、縦軸の損害との関係で、国と国とが紛争状態に陥ることができるのはいつかという問題(ユス・アド・ベルム(Jus ad bellum.武力行使法))と武力紛争において守らなければならない法はなにかというユス・イン・ベロ(Jus in bello・交戦法)にわけて論じられてきています。

3 縦軸について

縦軸は、損害というか、攻撃のインパクトを示しています。これの解釈が、ユス・アド・ベルムの問題とされるわけです。

この攻撃のインパクトについては、国家安全が侵害されるレベル、社会の重要インフラの侵害レベル、単なる経済レベルがあります。

国家安全が侵害されるレベルというのは、武力紛争などとして考えなければならないということになります。

上記のレベルが、国と国との関係が発生するレベルになりますが、重要インフラ侵害のレベルは、国と国との関係に影響するのでしょうか。それを検証する必要があります。

単なる経済レベルは、犯罪組織が経済的な動機に導かれてなすものかおおいでしょう。それは、国と国との関係が絡んでくるものではありません。

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