CLOUD法は「政府は企業が保有する個人情報を容易にアクセス可能に」するか?(中)

104条は、「現在の通信法に対する追加修正条項」です。

119章の2511(2)条に、電気通信サーヒスのプロバイダーが、2523条を満たす行政協定に従った外国政府の命令に応じて通信内容を傍受し、開示することは、違法ではない。などの規定を追加し、その上で、この場合の開示等においては、プロバイダーが責任を負わないこと/裁判所命令に応じた場合が抗弁になることを記載しています。

105条は、外国政府によるデータへのアクセスについての行政協定です。

119章の2523条に外国政府によるデータへのアクセスについての行政協定を追加するという条項です。
(a)項の定義のあと、(b)項は、行政協定の要件というタイトルです。

そこでは、司法長官が、以下の事項について、国務長官の賛同を得て、以下の要件を満たす協定であることを認定して、議会に対して書面で、提出します。

その場合に判断される要件としては、
(1)外国の法が、プライバシー・市民の自由についての堅固かつ手続的な保障を有しているかどうか、
(2)外国政府がUSシチズンに関する情報を収集・維持・拡散を最少限化する適切な手続を採用しているかどうか、
(3)協定の条件が、暗号の解読の義務づけ等の義務を課すようなことがないこと
(4)外国政府が、その所在をとわず、米国パーソンを標的にしえないこと(AおよびB項)、外国政府によってなされる命令が、重要犯罪の防止、探知、捜査、起訴のためであること、人名、アカウント、住所、機器などによって特定がなされること、国内法に準拠していること、法的な根拠にもとづいてなされること、裁判所によって命令が審査されること、傍受に関する命令については種々の限定事項に関する命令によること(以上(D項)、外国政府は、相互保障のあるアクセス権限をみとめること(I項)、などです。
(c)項は、司法審査からの排除をうたっています。ただし、議会は、審査をなすことができます((d)項(4))。

また、司法長官は、行政協定を5年ごとに見直します((f)項)。

106条は、解釈の規則で、18巻の3512条、28巻の1782条に従う共助要請を排除するものと解されてはならないとされています。

さて、基本的な考察のための材料が揃いました。

この法律をどのような意味をもつものとして考えるのかについては、次のエントリで検討してみましょう。

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