フランス国防省のサイバースペースにおける作戦への国際法適用への見解(2 武力紛争時)

2 武力紛争の文脈におけるサイバー作戦への適用しうる国際法

です。キーメッセージのあと、

武力紛争の状況では、サイバースペースは、それ自体、海、空、または宇宙におけると同様に対立の空間です。
この新しい形態の紛争に対応するために、国防省はデジタルディメンションを軍事作戦に完全に統合しています。 攻撃的コンピューター戦闘(LIO)は戦略的なレベルの能力ですが、戦術的には、効果を、従来の武器の効果と組み合わせる武器でもあります。
サイバー兵器は複雑なので、国際人道法(IHL)を尊重するフレームワークにおいて効果を習得することを必要とします。身体的行為の分野において、計画され、指揮される作戦と同様に、敵対行為の基づく諸原則に適合して、フランス国防省によって、なされます。

というまとめがなされています。

2.1  武力紛争の存在を形作るサイバー作戦

国際的武力紛争(IAC、フランス語CAI)があること、それと非国際的武力紛争(NIAC、CANI)があることに触れられています。

また、サイバー作戦ではあるものの、効果が主権国家の領域のなかで発生すること、が求められていること、つまり、従来の地理的な文脈で議論されることがふれられています。

2.2 武力紛争の文脈におけるサイバー作戦に適用される国際法

サイバー兵器について、目標の両用性とネットワークの接続性があることから、目標決定プロセスには、特定のプロセスを要する、とされています。

2.2.1 サイバー作戦が、国際人権法における攻撃を構成しうること

ジュネーブ条約第1追加議定書49条における攻撃を構成しうること、敵のシステムにたいして、破壊的な活動をする場合、中立化の場合も、すべて、含まれることになります。

フランスは、タリンマニュアルの見解(規則92)とは異なって、物理的な基準にのみ依拠するものではないとしています。フランスは、攻撃の定義を、機器・システムが、一時的にせよ、復旧可能であるにせよ、利用がもはや困難にする場合をいうとしています。

武力紛争の文脈において、フランス軍によるサイバー作戦は、攻撃の定義に該当しないとしています。敵の影響力のあるサイトの改竄は、ジャミングと同一で、国際人権法の規定の対象とはならないと考えています。

2.2.2 敵対行為についての原則の適用

敵対行為についての原則としては、区別原則、均衡性、警告、過度の傷害または無用の苦痛があり、これらは、サイバー作戦に適用されるが、サイバースペースにおける活動の緊急性、標的の両用性、ネットワークの接続性によって適用が困難になっている、とされています。

これらについては、フランスは、物の地位に関する疑義についてのタリンマニュアルの見解には、異議があるとしています。

それ以外については、一般的な説明ですので、ちょっと省略

2.3 中立原則がサイバースペースに適用されること

これについては、中立原則が適用され、中立国は、自分の領域のITインフラが、交戦国に利用されるのを防止しなければなりません。また、交戦国は、中立国のインフラに影響を与えるのを慎まなければなりません。

 

 

 

 

 

 

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