次は、サイバーコマンダーパネルです。登壇者は、LtG Ludwig Leinhos(ドイツ)、BGen Maria A. Biank(アメリカ)、BGen Francesco Vestito(イタリア)です。
最初は、Leinhos氏によるドイツのサイバーコマンドの紹介です。サイバーコマンドの実際について、情報提供的に使用と勤めていること、国際協力を重視していること、NATOとの関係を意識していることがコメントされました。
Biank氏からは、米国のサイバーコマンドとして統合司令部(J6)としての仕事と、CIOおよびポリシとしての仕事があることが紹介されました。サイバーを他のドメインと同様に取り扱うことが語られ、それは、完全に統合されているとされました。
特に、2018年サイバーコマンドビジョンが紹介され、同ビジョンは、「敵国に対して、戦術的摩擦および戦略的コストをかけ、資源を防衛に振り向け、攻撃を減少させる」という継続的従事を考えていること、そして、そのために、「敵国の攻撃の源にできる限り近接した前進防衛すること(defending forward)」がキーになることが強調されました。
このdefending forwardというのは、ひとつのキーワードになっていました。また、Cycon USの2019年のテーマは、defending forwardになります。国際法的にも、この概念をどのように扱うか、というのは、非常に興味深い論点です。また、別途、論じることになります。
Vestito氏からは、イタリアの防衛省の観点からの話がなされました。敵国は、あなたのことを考えており、爆撃機と同様であるということを話していました。また、イタリアでも、国家サイバーフレームワークが公表されており、インテリジェンス運営組織が、それをになうとされています。
統合サイバーコマンドミッションにおいては、イタリアの防衛のためにレジリエンスと両用という二つの用語がキーワードになっているということが、うたわれています。
また、サイバーレンジの話もなされており、どのようにして、.milのドメインを防衛するのか、また、そのプラットフォームから、民間を守っていくのか、という問題があるとされました。また、質疑応答においては、選挙におけるセキュリティの確保が重要であるということも語られました。
Academic Keynoteは、Prof. Alberto Sangiovanni Vincentelliです。テーマは、「インフラに対するサイバーセキュリティへの未来のチャレンジ」です。
テーマとしては、
(1)産業コントロールシステム(典型的なSCADAのコンポーネントが脆弱であること)
(2)無数のセンサーを持ったIoTの脅威(ボットネット)
(3)企業は、攻撃に直面する領域が増大している
領域の増大という意味からすると
この図のようになり、バトル状態となっています。そして、そのもっとも、全面に出ているのか、乗り物の分野ということになります。
(4)四つの疑問があります。
・私はどこにいるのか
・私のまわりには何があるのか
・次に何がおきるのか
・何をすべきなのか
畳み込みニューラルネットワーク、マイクロプロセッサのセキュリティ、メルトダウンがどのようになるか、アノマリを探知するのは困難であること、レジリエンスなどが注目すべき事項になります。
Industry Keynoteは、LtG (ret.) Robert Sheaです。タイトルは、「サイバースペースの状況への考察」です
脅威情報については、行動のスピードが重要であり、ロシアによる虚偽情報、ソーシャルメディアの兵器化が問題である。中国は、誤情報、虚偽情報については、それを無視しており、むしろ、オーウェルの1984の世界を作っている。
情報は、力そのものであり、データは、パワフルである。
このような状況では、システムのレジリエンスさが重要である。
ということで、昼休みです。