サイバー情報共有の法的分析

司法省のサイトで、サイバー情報共有の法的分析の報告が上がっています。

攻撃されたとかの情報を共有することが、電子通信プライバシー法違反にならないかどうかという点については、問題ないよという回答なされています。

詳しくみると、同法 2702(a)(1) and (2)は、「Whether the SCA prohibits an electronic communication or remote computing service provider from voluntarily disclosing “aggregate” non-content information to the
government.」としており、任意で、内容ではない「統計的」情報を政府に開示することを禁じているのですが、情報共有はこれに反するのではないかという問題が生じるのです。

解釈論としては、統計的な手法によって処理されていれば、政府と共有してもかまわないと信じているということです。(ちなみに、わが国では、こういう情報を「トラヒックデータ」と読んでいたりします)

わが国でも、通信を識別しうる情報の限りでは、通信の秘密の対象となると関されており、逆に識別し得なくなっていれば、その範囲をこえるので、同様の解釈になるかと思われます。

もっとも問題は、特定のコミュニティの中では、識別しうる情報がほしいので、それがどのような要件のもとで、誰に共有されうるか、ということだろうと思います。米国でも、それは、生々しくは議論できないのでしょうね。

 

関連記事

  1. 諸外国におけるフェイクニュース及び偽情報への対応
  2. Jアラートとサイバー攻撃
  3. 電波法からみる「通信の秘密」(3)
  4. 電波法無罪判決の有罪部分分析
  5. 英国データ保護法1998の歴史的経緯
  6. サイバー攻撃を⼀⻫遮断 ネット事業者が防御で連携
  7. M.Schmitt「国際人道法と非国家諜報関係者および物に対する…
  8. サイバーセキュリティ2017
PAGE TOP