第9回 成長戦略ワーキング・グループでのテーマの3は、宮沢和正「ブロックチェーン技術の最前線と中銀デジタル通貨」です。
仮想通貨(講学上の呼び方)については、山崎先生、岡田先生との共著「仮想通貨―技術・法律・制度」があります。2014年までの世界の仮想通貨の動きを追った上で、書学問的に分析した書籍になります。法的な見解からみても、根本的なところは、揺るがないので、制定法が整備されても、この本の価値は、廃れることはないと思っています。
それは、さておき、「中央銀行デジタル通貨」(CBDC)について2020年10月28日、カンボジア国立銀行は中央銀行デジタル通貨「バコン」の正式運用開始を開始したということがこのスライドで紹介されています。
「中央銀行デジタル通貨」(CBDC)は、日銀がこんなページや「情報技術革新・データ革命と中央銀行デジタル通貨」とか「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」いう報告書を準備していたりします。
このカンボジアでの採用の事実については、関連記事があります。
これらの記事を読みながら、スライドを読んでいくと、興味深いところがあります。もっとも、スライドで語られているところは、CBDCに関する一般的な説明というところになります。
実際にアカデミック的な観点から興味深いのは、むしろ、上の日銀報告書やその他の分散台帳技術を用いた仮想通貨の実装に伴うスケール性や即時性が、カンボジアで、どうクリアされているかであるようにおもえます。
岡田仁志先生の出番ということになりますが、カンボジアに出張ができるようになる日まで、フィールドワークは、むずかしいのでしょうか。