ドイツにおける端末監視ツール導入について

「新たなサーベイランス法-ドイツ警察はスマホをハックするのが可能に」という記事がでています。

実際の内容としては、法執行機関は、重大な犯罪に限られていること、申し立てにもとづいて、連邦トロイの木馬(Bundestrojaner)を被疑者の端末にインストールすることができ、インスタントメッセージ等が実際に暗号化される前にこれを取得することができるということです。

その実際の条文は、ということですと、「Entwurf eines Gesetzes zur effektiveren und praxistauglicheren
Ausgestaltung des Strafverfahrens(刑事手続のより効率的実装法)」と「Entwurf eines Gesetzes zur Änderung des Strafgesetzbuchs, des
Jugendgerichtsgesetzes, der Strafprozessordnung und weiterer Gesetze(刑法、少年法、刑事訴訟法等改正案)が連邦議会を通過したということのようです

しかしながら、具体的にダウンロードして、分析してみたのですが、改正のためのオムニバス法なので、非常に分かりにくく、条文を探すのにギブアップしました。

ちなみに、ドイツの仕組みについては、「インターネットにおける犯罪と刑事訴追–2012年第69回ドイツ法曹大会刑事法部会(ミュンヘン)」280頁、284頁、特に310頁が参考になります。
あと、住居内会話盗聴については、「刑事手続きにおける私的秘密領域の保護」とか、ヴェルナー・ボイルケ「ドイツ刑事訴訟法(4)」160頁以下(特に162頁)なども参考になるそうです。

「リーガルマルウエアの法律問題」という論考を記しましたが、ドイツの議論のほうが、具体的な、実際的だったのかもしれません。

関連記事

  1. GCSC スタビリティ報告書 分析2
  2. 7月2日の「規制改革推進に関する答申」と電子署名
  3. 床屋談義は続くよ、どこまでも「サイバー安全保障分野での 対応能力…
  4. 小西葉子先生より「現代の諜報・捜査と憲法 自由と安全の日独比較研…
  5. EUにおけるアクティブサイバー防御の概念と是非の質問の無意味さ
  6. なぜ、経営者にとってサイバーセキュリティのマネジメントは難しいの…
  7. CyConX travel report Day One  Se…
  8. GCSCスタビリティ報告書 分析9
PAGE TOP