EUでは、「Definition of a Research and Innovation Policy Leveraging Cloud Computing and IoT Combination」という報告書が、2015年5月に公表されています。
この報告書におけるIoTの定義は、「インターネット・オブ・シングスは、適切な方法で自律的に対応できるようにネットワークにおけるほかの対象/構成員と情報を共有し、事象/変化を認識することを可能にする。したがって、IoTは、行動および価値創造を導くモノ(機械、建物、自動車、動物、その他)におけるコミュニケーションを構成する(“The Internet of Things enables objects sharing information with other objects/members in the network, recognizing events and changes so to react autonomously in an appropriate manner. The IoT therefore builds on communication between things (machines, buildings, cars, animals, etc.) that leads to action and value creation)」というものになります。
この定義も、では、情報システム同士のコミュニケーションは、含まれるのか?とか、物が主体なのか、ネットワークが主体なのか、それともコミュニケーションが主体なのか、という点についての回答を与えてくれないので、あまり出来のいい定義とはいえないかもしれません。どうも、社会のエコシステムとしてのIoTを考えているところがポイントのようです。これは、これで面白い考え方ですね。
個人的には、物がつながるとして見ていたし、それによるリスクを注目していたのですが、むしろ、仮想的な処理プロセスまでもがつながるIoTというエコシステムという考え方のほうが現代的で、生産的かもしれません。ちょっとしたインスピレーションです。