プラットフォーム研究会で、「 諸外国におけるフェイクニュース及び偽情報への対応 」の資料が公開されています。
報告資料としては、EUにおける偽情報対策、フランスにおける「情報操作との戦いに関する法律」、ドイツにおけるネットワーク執⾏法 、諸外国におけるファクトチェック団体の取組 が報告されています。
内容としては、きちんと報告されているところかと思います。細かい点については、自らも機会があれば、きちんと調査したいと考えています。
ところで、わが国においてもこのような偽情報対応について、国内的な対応を図る予定だという報道がなされています(「フェイクニュース対策、有識者会議が本格議論」)。
「表現の自由」に配慮しながらネット上のニュースの信頼性を高めるための具体策の検討を進め、年内に方向性を示す予定だ。
司法試験でも、このような問題が出たようです。
我が国でも,A省において,虚偽の表現の流布を規制する「フェイク・ ニュース規制法」の立法を検討することとなった。現在,A省においては,①虚偽の表現を流布す ることを一般的に禁止及び処罰するとともに,②選挙に際して,その公正を害するSNS上の虚偽 の表現について,独立行政委員会がSNS事業者に削除を命令し,これに従わない者を処罰するこ となどを内容とする立法措置が検討されている
この問題については、欧州における問題が、ロシアが、国家的背景に、SNSをもとに政策決定過程をゆがめて、相手国の分裂・弱体化を図っているという背景をもっていて、国内問題に限るものではないというのを、どのように考えるのか、という問題があるかと思います。
虚偽の情報であっても、言論の自由市場で修正されていくべきものであるというのが、基本的なスタンスであるように思われます。しかしながら、「自由市場」というのは、個人が、独立の立場で議論するのでなりたつのであって、そこに、意図的な操作・攪乱を図る他国が介入したときにどう考えるのか、という問題もあるかと思います。
このような国際法的なリアルな分析がどのように国内法に反映されることになるのか、そのような論点を指摘する人がわが国にはいないようなので心配だったりします。(この点は、「憲法対国際法-フェイクニュース対応」でふれておきました)