林紘一郎教授より「情報法のリーガル・マインド」の献呈を受けました。ありがとうございます。
すべての論述を精査したわけではありませんが、興味深い論点、記述をたくさん見つけることができるかと思います。
フェア・ユース論(P65-)
Confidentiality論(p93-)
個人データ保護とプライバシ保護の峻別(p107-)
表示と、その責任(p147-)
電磁的証拠(p279-)
などは、私の観点からも興味深いテーマだと思います。
Confidentiality論(p93-)については、はるか25年前に、私も「英国における民事訴訟法上のコンフィデンス保護手続 」とかを書いていたりします。
個人データ保護とプライバシ保護の峻別については、私と吉田先生の論文を引用されていたりします。
ただ、これらの論点が、「リーガル・マインド」という観点から、分析されているのかというのは、今、一つよく分かりませんでした。また、「法と経済学」の分析という観点を唱えている林先生の観点からは、むしろ、高崎さんの論文のところでふれたように「プライバシ」の認知のアプローチについて深めた方がはるかに現代社会においては、有意義なように思えます。
ただし、これらは今後の研究者等の方々への宿題となっているのかもしれません。現代社会との関連から、ネットワーク化の進む社会と法律のギャップを埋める作業に柔軟に取り込むべきである、それには、従来の各制定法ごとの枠組みを飛び出てみようというのであれば、それが現代社会でのリーガルマインドそのものなのかもしれません。