憲法対国際法-フェイクニュース対応

フェークニュース対応について、 水谷瑛嗣郎 「思想の自由市場の中の 「フェイクニュース」 」という論考に目を通してみました。でも、憲法論として論じるといっても、国際法と交錯するところもあるはずなのに、まったく気配も、紹介もないのってどうなのとか思いましたので、ちょっとメモ。

サイバーセキュリティのコミュニティでは、「ハイブリッド攻撃」というのは、国家によって他の国の政治過程を、攪乱し、ゆがませ、ひいては、その国自体を分裂させ、国力を弱める作戦を指し示す用語として使われているような気がします。(もともとの軍事用語としてのHybrid Warfareとは、全く別物)

 そして、このハイブリッド攻撃の手法のひとつがフェークニュースだと思います。フェークニュースに対する国際法のアプローチは、基本的には、無関心、しかしながら、ドメイン・レザベ(重要なドメイン)に対しての他の国家による働きかけは、国際的な違法行為になるという見方です。私のブログだとここで触れています。論文としては、

Ohlin, Jens David, “Did Russian Cyber Interference in the 2016 Election Violate International Law?,” 95 Texas Law Review 1579
(2017)

があります。

これは、国内法的にみても、他の国家による政治過程への働きかけのうち、一定のものについては、違法とすることが許されるのではないか、という解釈につながってくるように思えます。このような国際法のアプローチをも踏まえた論がでてくるのを期待しています。

関連記事

  1. M.Schmitt「国際人道法と非国家諜報関係者および物に対する…
  2. 司法権とプライバシーの相剋
  3. 情報法のリーガルマインド
  4. Cycon express-presidential speec…
  5. White Motion Bon Voyage
  6. 英国における暗号資産への規制
  7. 最後の講義「石黒浩教授」とホモ・デウス
  8. 「安保技術、留学生は許可制」の記事
PAGE TOP