連邦民事訴訟規則は、ディスカバリーをプランニンク(FRCP26条(f)段階、初期開示(同条(a)(1)、専門家証人の開示(同条(a)(2))、トライアル前の開示(同条(a)(3))などにわけて定めています
具体的な訴訟の提起(および、それを前提とした保全義務の発生)から、審理のスケジュールを定める会合までの流れは、おおよそ、以下のようになります。
(1)保全義務の発生
これがいわゆる訴訟ホールドの発生時期ということになります。この時点において、積極的かつ時宜を得た手法でもって、電子証拠に関するするものとかんがえらるものの改変もしくは損壊を防がないといけません。この時点がいつになるか、また、どのような手法が必要になるかなどの点は、あとで触れます。
(2)訴状の送達
訴状のファイリングと同時もしくはその後に、召喚状(Summons)が、作成され、廷吏によって署名・押印されます。召喚状と訴状が、被告に対して、送達されます(FRCP4条(b)および(c))。送達は、特に誰によって送達されなければならないということはありませんが、連邦執行官などによっても、なされえます。
(3)Meet and confer 会議(99日まで)
電子的な開示を求める当事者・代理人は、最初に、相手方当事者に対して、開示を求めることになる。そして、この進行については、訴訟両当事者間で会議が開かれることになる。この会議は、訴状送達から、99日以内に開かれなければなりません。そこでは、ESI(電子的保存情報)の保全についての論点、ESIの検索・開示・ディスカバリについての論点、提出のフォーマット、ESIホールドの範囲、コストの評価などが議論されます。
(4)Scheduling conference(120日まで)
このスケジュール・コンフェレンスは、事件の日程とデッドラインを判事が決定するものです。
3.3 初期開示におけるe-ディスカバリ
同規則26条(a)(1)(A)(ⅱ)は、
(a) 要求される開示.
(1)初期開示
(A)一般に、Rule 26(a)(1)(B)もしくは、他の定め、ないしは裁判所によって定められた除外がない限り、当事者は、ディスカバリーの要求をまたずして、相手方に対して、
(i)(略)-名前、住所、連絡先など
(ii)請求もしくは抗弁を支える開示当事者が保有し、保管し、コントロールするすべての書類、電子的保存情報、有形物のコピー — もしくは、カテゴリーおよび所属の記述 — ただし、その利用が、刑事責任を招くときはこの限りではない
(ⅲ)(ⅳ)(略)
と定めています。ので、これを自ら開示(disclosure)しないといけないことになります。
そして、同条(a)(1)(C)以下は、「(C) 初期開示の時期-一般」として、特段の定め、上記のFRCP26条(f)の会議もしくは、その後、14日以内に、初期開示をしなければならない、と定めています。