Internet Watch の山賀正人さんの「海の向こうの“セキュリティ”」「Amazon、Google、Microsoftらが発表した「信頼できるクラウドの原則」とは」の記事で、私の「なぜアップルは、メンバーではないのか-政府による「適法なアクセス」と「信頼できるクラウド原則」について」の記事を紹介していただきました。ありがとうございます。
山賀さんの記事では
今回の新たな取り組みが本当に顧客のプライバシー保護やセキュリティにつながるものなのか、そもそも「Trusted Cloud Principles(信頼できるクラウドの原則)」と言えるものなのか、慎重に動向を見守る必要があるでしょう。
という指摘がなされています。興味深い指摘であると思います。
私としては、
協力するのは、いいけど、もういいかげん、裁判所侮辱の対象になったり、顧客のために裁判をやったりという状況は、卒業したいんですけどね、
という悲鳴に聞こえたりします。
この図でも示しているのですが、ある意味で、プロバイダは、カスタマのプライバシのエージェントであり、特に、プライバシと政府による「適法なアクセス」との関係についての社会的な合意がない現状では、プロバイダは、カスタマの(報われない)エージェントとして活動しているわけです。
このようなプロバイダの報われないエージェント活動は、サイトブロッキングでも同じ利害状況(12月9日の講演でもここまでふれるつもりです)となっていると認識しています。
この活動にかかる費用は、最終的には、カスタマである消費者に転嫁しうるとしても、不明確です。また、カスタマに手続保障をあたえたほうが、権利保護のインセンティブとしては、合理的に運営できることになります。ただし、対外諜報であれば、結局、手続保障は、その国家の安全保障を脅かす可能性が出てくるということになります。なかなか難しい問題ということがいえるでしょう。
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と書いていたいたところ、MS のブラッドスミス・プレジデントが、サイバーセキュリティ・デジタル主権についての講演をしているのがYoutubeに上がっているのは、発見しました。興味深いです。