「安保技術、留学生は許可制」の記事

「安保技術、留学生は許可制」という記事がでています(日経新聞 2021年10月26日)。

経済産業省が年内に外為法の運用に関する通達を改正し、2022年度に施行する。日本に半年以上滞在する留学生に大学が重要技術を伝える場合、大学は経産相の許可を得る必要が生じる。

(略)

経産省は外為法に基づく指針で、大学が留学生や外国人研究者を受け入れるときに安保上の懸念がないか事前審査を求めている。留学生をはじめに受け入れる段階で外国政府からの資金支援などの実態を把握できなければ、誰が規制対象の留学生か特定できない。

政府は22年度から研究者の情報開示の指針を見直し、海外を含む外部機関から支援を得る場合は所属機関へ報告を求める。研究者が平時から所属する大学や企業に申告するよう促す。

法的な背景としては、外国為替管理法(外為法)です。外為法は「貨物の輸出」と「技術の提供」に分かれ、それぞれ「規定対象貨物」と「規定対象技術」の輸出について規制をしています。

この点について、私のブログでは、「ワッサナーアレンジメント・外為法と安全保障-「留学生へ安保技術 規制」の記事から勉強」でふれています。

ここで、技術についての法律の定めとしては、「特定の種類の貨物の設計、製造もしくは使用に関わる技術を特定の外国において提供することを目的とする取引を行おうとする場合、一定の者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない」ことが定められています(同法25条1項)。また、これらの取引に関する規制の補完のために、「規制技術の記録などがなされたUSBなどを持ち出す行為や規制技術の電子データを外国に送信する行為を行おうとする場合には、経済産業大臣の許可が必要」とされています(同法25条3項)。

規定対象技術とは、「貨物の設計、製造または使用に必要な特定の情報」のことで、「技術データ」または「技術支援」の形態により提供されます。「技術データ」は、青写真、設計図、線図、モデル、数式、設計仕様書、マニュアル、指示書などの形態(またはプログラム)などを指します。「技術支援」は、具体的にはプレゼンテーションソフトによる表示、説明や口頭による研究発表や指導などを指します。

でもって、安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス(大学・研究機関用)第三版(平成29年10月公表)があり、この資料の45ページ目

来日後6か月未満の留学生等に規制技術を提供する際、及び6か月以上であっても、外国で提供することがあらかじめ判っている場合、技術資料の外国への持ち出しや技能訓練等による規制対象技術の提供をする場合は、許可を取得する必要があります。
留学生等の受入れや採用時(入口)、在学・在職中(中間)、卒業・退職時(出口)において適切に管理することが求められます。

となっています。そして、「外国為替法令の解釈及び運用について(抄)」(蔵国第4672号 昭和55年11月29日 最終改正 蔵国第2345号 平成12年12月28日)において、

(居住性の判定基準)
6-1-5、6

(2) 外国人の場合
イ 外国人は、原則として、その住所又は居所を本邦内に有しないものと推定し、非居住者として取り扱うが、次に掲げる者については、その住所又は居所を本邦内に
有するものと推定し、居住者として取り扱う。
(イ) 本邦内にある事務所に勤務する者
(ロ) 本邦に入国後6月以上経過するに至つた者
イにかかわらず、次に掲げる者は、非居住者として取り扱う。
(イ) 外国政府又は国際機関の公務を帯びる者
(ロ) 外交官又は領事官及びこれらの随員又は使用人。ただし、外国において任命又は雇用された者に限る。

になりますが、この 4イにかかわらず、次に掲げる者は、非居住者として取り扱う。」が拡張されるということになるものと考えられます。具体的な通達については、確認したいと思います。

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