CyCON 2017の予稿集が公開されています。ページは、こちらです。
Kubo Mačák 氏のThe Impact of the Development of the Cyber Law of War on General International Lawは、いろいろいな次元から、サイバー国際法の発展を述べています。講演のほうは、こちらで。
あと、 Peter Z. Stockburger 氏のart10は、国家責任に関する「実効的なコントロール」理論から、国家実行が「コントロールと能力」テストに移行しているのではないか、というのは、個人的には、個々の国家実行についての解釈が事実誤認?というところはありますが、問題提起としては興味深いと思います。(講演は、同じページで)
Eliza Watt氏のart 06は、人権法の域外適用・そして、その効力について検討するもので、議論としては、興味深いです。(個人的には、解釈論としては無理があるようにも思いますが)紹介されている英国の判決例は、いつか調べたいです。(講演は、こちら)
このあたりは、講演を聞いて興味深かった論文ですね。Eliza氏の論考は、きちんと判決例からも見てみたいですね。
Martin LibickiのThe Coming of Cyber Espionage Normsは、サイバー規範をさらに詳細に検討しています。
Max SmeetsのOrganisational Integration of Offensive Cyber Capabilities:A Primer on the Benefits and Risksは、攻撃的サイバー能力の検討です。OCC(Offensive Cyber Capabilities)というのは、わが国でも、「サイバー攻撃能力」と呼ばれいてるかと思いますが、この用語が何を指すのか、この統合というのは、どういうことか、わが国にどう当てはまるのか、というのは、研究する必要がありますね。
Mission Assurance:Shifting the Focus of Cyber Defenceは、能力と資産の機能とレジリエンス(柔軟な維持能力)を保護し、確かにするというミッション・アシュアランスというのが、サイバーでどのように考えられるのか、また、集団自衛というのがどのように認識されるのか、という問題提起のようです。
あと、Kenneth GeersのCore Illumination: Traffic Analysis in Cyberspaceは、Traffic Analysis を詳しく分析しています。個人的には、じっくりと読んでみたいですね。
今回の予稿は、技術的分野が少ない用におもえます。私的には、分析のしがいがあるのですが、うまく分析の時間を見つけられるといいなあと思います。