とりあえず離婚、相続、交通事故についての簡単なQ&Aのシナリオを前提に、相談のための情報収集と準備してもらう書類についての情報提供を目的とするボットが完成しました。
作ってみて結果をだすような法律相談ボットというのは、無理なので、法律相談の支援のためのチャットボットという位置づけにしました。
これが無理というのは、二つの意味があります。
一つは、具体的な事情に応じて、判断を場合分けしていくと、趣味のレベルでできないのは、当然として、コストをかけて分類したとしても、ほとんど、意味のあるレベルには、できないだろうという労力の問題です。
今一つは、人間のインテリジェンスをもって対応した場合でも、結局は、どれだけ、○×な裁判官にあたるのか、という不確実性をもとに判断しなければならないので、法律相談は、そもそもが、確率の話でしか、判断をなせないということです。
まして、法律相談ボットとかいうと、法律相談は、弁護士しかできないのではないか、ということもいわれそうです。
裁判官の不確実性の問題はさて置くとして、最初の手間の問題は、法律エキスパートシステムが失敗したといわれた時代とは、かなり様変わりしているということもいえそうです。実際にやってみて、離婚、相続、交通事故についていえば、きちんとコストをかければ、実用的なレベルまで、シナリオがかけるだろうということです(法律実務体系とか、あと何か解説本あたりを分解して並べ替えてみればできそう)。あと、不動産問題もいけるでしょう。
ここで、ポイントなのは、「実用的なレベル」というのは、何か、ということかと思います。要は、実際の人間の手間を省けるといいのではないか、と。結局は、今の段階では、人間のほうがはるかに優秀なのは、わかっている。でも、手間を省くのに、便利な仕組みができるんなら、それは、それで使ったらいいし、それは、それで「実用的」なのではないか、ということです。(弁護士の手間が省けて、ボットが対応していることがわからない程度までいき、対応できなければ、弁護士が引き継げばOK)。
あと、現代では、利用者みずからが、質問をしてくれるので、その質問が、当初のシナリオを磨いてくれるように設定するということもできそうです。すると、その実用的なレベルというのが、それなりに上がっていく。もしかするとシナリオが自律的に発展していくかもしれません。そうすると、このシナリオを追加する作業にインセンティブを付していけば、もともとのシナリオがみずから勉強していく仕組みになりそうです。何か、インテリジェンスのブロックチェーンですね。(Bluemixが、シナリオに頼っていくのを亡霊とかいう人もいるようですが、現実としては、まず、「配偶者の不倫の際に離婚できますか」という質問にたいして、どのような手順で回答するかというのを勉強させて回答する仕組みするとして、シナリオは、有意義なようにおもえるんですけどね)
さて、妄想は、さておき、Messengerチャットボットができたとしても、基本的には、Facebookコミュニティのなかだけです。おまけに、Facebookコミュニティだと宣伝して、法律相談してね、というのも何か気が引けてしまいます。なので、事務所のホームページから、messengerでメッセージしてください、と呼びかけるようにしたいなあ、と考えました。
まずは、Facebook内の事務所のホームページの写真を矢印をつけて、メッセージを送ってねとしました。
次に調べてみると、Messengerは、Facebookアカウントがなくても使えるので、それをホームページに書いておくことにして、あとは、wordpressのプラグインです。人気のあるのは、Facebook Messenger for WordPress か、Facebook Messenger Live Chat のようですが、実際に、それぞれ、とりあえず、インストールしてみたところ、私としては、Facebook Messenger for WordPressでいくことに決定。
これで、とりあえず、Messengerチャットボットを作成するというゴールデンウイークのミッションは、達成です。
ただし、やっぱり日本だと、Lineでの法律相談ができないとね、ということになりそうなので、次は、Lineでのチャットボットの作成という段階に移ります。