デロイトさんから「QRコード決済・モバイル決済の利用実態と今後の利用意向に関する調査」の発表 というプレスリリースがでています。
電子マネーについて、同種の実験をしたものとしては、興味深いものです。(情報処理推進機構「「eIDに対するセキュリティとプライバシに関するリスク認知と受容の調査」」報告書(平成22年7月発表)
ただし、プレスリリースのみでは、実験の設計や実験の目的が見えない調査に思えます。たとえば、TAMのようなモデルをたてていたのか、とか、どのような仮説があったのか、とかが、よくわかりません。
そこで自分だったらどうい実験の設計をするのか、考えてみました。 QRコード決済・モバイル決済については、今後、きわめて重要なものになるかとおもいます。特に個人的には、メッセンジャー(LINEも含みますが)のプラットフォームと決済の嗜好というのは、実験のしがいがあるように思えます。メッセンジャーのなかだけで、ミニweb的(チャットボットのボタン式みたいなものね)になってそのなかですべてサービスが完結するというのは、今後の方向性としてイケていると考えているので、そのための決済の設計をしなければならないというのが、基本的な調査の動機なハズです。(それを認識できていないとしたら、世界が読めていないとおもいます)
ミニwebで決済するときに、そのプラットフォーマーの決済手段を利用させるというのは、きわめて合理的な経済戦略なので、それを使わせるために商品の見せ方・価格・ポイント戦略をどうするのか、また、販売企業からするときに、どのようなプラットフォームに出品するのか、ということを決めるデータが欲しいはずです。
ここまでくれば、実験を設計できますね。
たとえば、
(1)FBのメッセンジャー、スカイプのメッセンジャー、LINEは、それぞれ、どれが魅力があるのか。
(2)ライバルのプラットフォームに打ち勝つには、決済システムは、差別化の魅力になっているのか。
(3)セキュアプラットフォームは、プラットフォームの魅力になっているのか。
(4)P2P決済の魅力(相互流通性)は、電子マネー(支払い手段性)において、どれだけの魅力になっているのか
という点についてそれぞれ仮説をたてて、それを検証していくとおもしろい調査になったような気がします。(私だったら、質問紙法とコンジョイントを使いますね)
これだったら、いろいろいと売り込めそうに思えます。デロイトさん、お仕事お待ちしています。