「サイバー攻撃も日米安保適用=2プラス2共同声明へ初明記-新領域対処、優先事項に」という記事がでています(2019年4月20日)。例えば、時事は、こちら。
ここで、ポイントであるのは、日米安全保障条約(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)の5条の適用についての合意であるということです。
同5条1項は、「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する」としています。条文は、外務省のサイトから。
ここで、「武力攻撃」とされていることがポイントになります。ちなみに北大西洋条約5条も「締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなすことに同意する。」とされています。訳文はこちら。ここでも武力攻撃であって、両方とも英語では、armed attackとされています。日米安保条約については、こちら。北大西洋条約は、こちらです。
これは、用語としては、国連憲章51条の武力攻撃(armed attack)と同一の意味と解されることになると思われます。
ブログでも、「サイバー攻撃と武力行使」というエントリで触れています。大雑把にいうと、非常に深刻な結果が生じる場合ということができるかと思います。実際、北大西洋条約においては、2007年のエストニア攻撃では、5条の適用が否定されているというのは、留意されてしかるべきでしょう。
その一方で、この閾値を越した場合には、比例原則に適合する範囲において、物理的な結果が発生する反撃も赦されるのは、当然のことになります。