5月29日は、Day1です。
まずは、オープニング。
CCD CoEのTarien大佐から オープニングの挨拶です。CCD CoEは、サイバー演習や攻撃的サイバー作戦の研究を行っており、47ケ国から、60名という人数で、頑張っていること、などが紹介されました。
そのあとは、いよいよカリユライド大統領のスピーチです。この大統領のスピーチについては、非常にインパクトがあったのと、そのまま、全文が公開されていたので、CyCon expressで紹介しておきました。
(大統領の言葉を借りると)「国際法は、小国の核兵器」であるので、特にサイバー領域における国際法の役割は、大きいと思います。我が国においては、残念ながら、サイバーセキュリティにおける国際法の認識は、乏しいとしかいいようがないので、この大統領のスピーチの意味をかみしめてほしいです。
このカリユライド大統領のスピーチについては、シュミット先生が、分析をなしています。その分析は、「Esonia Speaks out on Key Rules for Cyber Space」です。この分析自体、非常に重要なものですが、まずは、このtravel memoの完成を急ぐので、分析は後日。
次は、Nielson提督のスピーチです。デジタル世界への移行に関する話となります。
欧州におけるデジタル世界の移行に関しては、ロシアから、離れていないという事情が影響を及ぼしているという話から始まります。クラウド・ビッグデータが影響を及ぼすようになっており、サイバースペースにおいて敗北しつつあるのではないか、という認識が示されています。敵国(Adversary)は、他の次元にいるのではないか、という問題を提起しました。
2014年には、サイバーは、ひとつの様相であったのに、現在では、軍事攻撃のひとつのドメインとなっており、全く異なっている、そして、それに対応するためのステップが採られるべきことが重要だとされています。
そのステップは、攻撃的・防衛的能力をブーストさせることであり、技術的・運営的な点で産業界と協力することが重要だと強調されました。
なお、提督のスピーチにふれる記事としては、これがあります。
小休憩前の最後は、米国のWheeler(もと)提督(米国サイバーコマンド)のスピーチです。
2010年5月、サイバーコマンドが統一された司令部として創設されたことから始まり、その後、経済的エスピオナージやソニープクチャーズ事件がおきたこと、それらを経過して、現在では、国内の民主主義を標的とした攻撃がなされており、サイバー兵器化しているのが現状であるという分析です。
現在の課題としては、サイバースペースにおけるチャレンジがなされていること、優越性を確保すること、能力をなしとげること、競争状態になること、などがあげられるということが語られました。