松原実穂子さんより、「サイバーセキュリティ」-組織を脅威から守る戦略・人材・インテリジェンスの献呈をいただきました。
松原さんは、現在は、NTTのチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジストです。このごろ、国際的なサイバーセキュリティの会議などでよくお会いします。わが国で、国際関係論からサイバーセキュリティを語れる人がほとんどいないので貴重な人材ではないかと思います。
内容ですが、第1章は、サイバー攻撃の実例、第2章は、攻撃者の正体、第3章は、防御側のチーム、第4章は、サイバー脅威インテリジェンス、第5章は、一般的な防御のストラテジというところです。
レベルとしては、一般のビジネスパーソン向けに、サイバーセキュリティの現状を、平易に説明しているというところだと思います。技術的な説明というよりも、攻撃者は、誰か、どのような特徴を有しているのか、世界的に、どのような実例があるのか、一般的に防御をどのように考えてするべきか、ということについて、現在の最先端の知識がはいるかと思います。
特に私の個人的な関心からは、第2章、具体的に、北朝鮮、ロシア、中国、ダークネットの攻撃者の実際は、非常に勉強になりました。ここまで、整理された論述は、なかなかないかと思います。この点の知識をまとめて得たいということでしたら、この本が唯一なのではないでしょうか。
一方、国際関係論、サイバー規範、国際法的な分析は、ありません。ということは、私が出版する余地は残してくれているということかと思います。(頑張ります)
ということで、サイバーセキュリティをめぐる国際的な状況、脅威のインテリジェンスなどについて、基礎的な知識をもとに、すこし踏み込んだ知識を得たいという人におすすめします。