「9月17日JNSA成果発表会で経済安保セミナでパネリストとしてお話します。」でもお知らせしましたが、パネリストとしてお話させていただきました。非常に質問もたくさん出て、いいセミナーだったと思います。
その際に使ったスライドをシェアしようと思うのですが、ちょうど、読売新聞の2021年9月12日に前国家安全保障局長 北村滋氏の「先端技術は狙われている」という記事がでているので、そのメモも兼ねて、スライドをアップしてみたいと思います。オンラインでの北村氏の記事は、こちらです(有料会員記事)。
北村氏の記事の内容としては、
- 警察庁の外事課長時代に 「みえない技術の移転」が一番怖いと痛感したこと
- 経済安全保障の定義としては、同氏は、輸出規制などの経済手措置を外交・安全保障政策に活用すること・国の経済への脅威に対応するためにさまざまな規制などの政策をすすめること、自由で開かれた国際経済システムを維持すること、と考えている。
- 経済安全保障の重要性は、民間で軍事に影響を与える技術の発展が著しいこと、中国が「軍民融合」をすすめていること、宇宙・サイバー・電磁波のドメインが技術の優劣で勝敗が決すること、
- 国家安全保障局長に就任して経済班を作ったこと、対内投資規制を強化したこと、
- インテリジェンスが重要であること、とくに内閣情報調査室の強化(室から局への格上げ)が必要
というものです。
項目2は、定義になりますね。この点についての私のスライドは、
こんな感じです。国家の主権-対外的・対内的な独立を経済面から見ると定義しているのですが、同様かと思います。
これに関して参考になるのか、
自民党の提言だろうと思います。
項目3は、こんな感じでしょうか。
北村氏は、重要技術(同氏は、先端技術)を軍事力に直接、リンクさせていますが、それは、むしろ、国家の主権を支える三本の柱(これに外交を加えて、DIMEにもできます)にリンクさせて説明してます。
項目4については、楽天投資問題がありますね。
項目5については、むしろ、当日のディスカッションででてきたものですね。クリアランスを実効的にしようとすると我が国だと障害がでてくるのではないか、ということです。ただ、もう、安全保障を腫れ物にさわるようなものにしておく必要はないだろうし、むしろ、正面から認めて、その民主的なコントロールを議論する時代になっているような気がします。
でもって、2021年にいろいろと問題になった事件を経済安全保障のリスク対応という観点からみた私の図は、こんな感じです。
LINE事件を経済安保リスクのデータの場所リスクとして位置づけたあたりがユニークかと思います。
いかがでしょうか。