勧告の調査をお願いしている原田學植先生から、先生が、監訳した「サイバーハラスメント 現実へと溢れ出すヘイトクライム」の献本をいただきました。
著者のシトロン教授は、ボストン大学法学部教授です。
サイバーハラスメントとは、「一連の事件」にまで至るほどに執拗なオンライン上の発言によって相当程度の精神的苦痛を意図的に与えることと定義されています(同書10頁)。
「サイバーとは、さまざまな被害がネットによっていかに悪化するかを表しているのだ」(12頁)。
サイバーハラスメントとサイバーストーキングももまたヘイト3.0として理解することが必要なってくる。(略)いまや個人化された差別の域にまで達し、ますます有害になっているからだ。
サイバースペースにおいては現実空間よりも多くの攻撃が認められるべきだとする考え方は、仮想空間は、現実空間から断絶しているという想定に基づいている。だが、私たちがネットに接続したとしても、それは決して隔絶した世界に入っていくわけではない。ネット上のやりとりもまた、現実の生活のなかに埋めこまているのである(33頁)
というのが、著者の問題意識になります。この問題意識は、わが国での発信者情報開示問題が、通信の秘密と表現の自由に解決を阻まれているという状況とシンクロすることになります。
しかしながら、シトロン教授は、「いまずぐに行動を」と呼びかけ、法の改正を呼びかけます。そこでは、通信品位法の見直しを含んでいきます。
ここから先は、私もさらに読み込んで勉強したいと思います。
ということで、原田先生ありがとうごさいました。
(ご紹介が遅れてすみませんでした)。