「省庁のドローン1000機、中国製を排除へ…安保懸念「国産」導入を視野」という記事がでています(読売新聞)。
政府は現在、安保分野を除いて約1000機のドローンを保有しており、ほとんどがDJIということだそうです。この点についての記事は、実は、英語でのJAPAN Timesとかの記事で、“Japan government set to stop buying Chinese drones”などが先に報道されていたりします。
中国のネットワークからの排除については、アメリカでのクリーンネットワーク政策が今年は、強調されているわけですが、我が国における空のクリーン化作戦というのも興味深いところです。
でもって、興味深いのは、いいのですが、そもそも、官公庁の入札って、WTOとかの関係で勝手に特定の国の製品だからといって、排除できるはずではないよなあ、ということで、ちょっと調べてみました。
でもって、現在の根拠は、2012年3月30日に採択され、2014年4月6日に発効した「政府調達に関する協定を改正する議定書」(以下「改正議定書」という。)になります。国内法的には、2014年3月17日に受諾し、同年4月16日に発効だそうです。
問題となるのは、この3条ですね。
この協定のいかなる規定も、締約国が自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要と認める措置又は情報であって、武器、弾薬若しくは軍需品の調達又は国家の安全保障のため若しくは国家の防衛上の目的のために不可欠の調達に関連するものにつき、その措置をとること又はその情報を公表しないことを妨げるものと解してはならない。
この例外を根拠とするのかどうかは、よくわかりませんが、「IT調達に係る国の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ 」という文書があります。
あとこれが本年の6月30日に改正がなされています。
ポイントは、
4.契約方式
本申合せの対象となる調達の契約方式については、総合評価落札方式や企
画競争等、価格面のみならず総合的な評価を行う契約方式を採用するものとする。5.調達手続
政府機関等は、第2項で特定した調達を実施する際は、各政府機関等が遵
守すべき調達に関する法令等に基づき契約手続を進めるに当たり、調達する情報システム・機器・役務等の提供事業者及びその製品並びに役務について、サイバーセキュリティ確保の観点から、仕様条件の決定、製品及び役務を提供する事業者の選定のために必要な情報を、Request for Information (RFI)及び Request for Proposal(RFP)等により取得することとする。
ということになります。
もっとも、 ドローンは、この申し合わせの範囲外に見えるわけですが、どのような根拠によるものかはもうすこし考えてみたいと思います。