米国宇宙政策2020年-セクター間ガイドライン

米国宇宙政策2020年の分析の続きです。

まずは、セクター間のガイドラインをみていきます。

すべての行政機関/庁の長は、以下のガイダンスを実行するとされています。これは、さらに基礎的な活動および能力、国際的協力、宇宙活動の長期的維持の拡大のために宇宙環境を維持すること、有効な輸出政策、原子力発電・推進、電磁スペクトラムの保護、米国スペースシステムのサイバーセキュリティ、国家重要機能の保証にわけて論じられています。

基礎的な活動および能力

これは、さらに、

  • 米国の宇宙関連科学および技術の強化
  • 米国宇宙インダストリアル・ベースの強化・保全
  • 宇宙へのアクセスの能力の拡充
  • 重要インフラの宇宙コンポーネントの保護
  • 宇宙基盤の測位・ナビ・時刻システム(Positioning, Navigation, and Timing (PNT) )の維持および拡充(なお、参考までに大統領命令に関するNISTの ビデオ)
  • 宇宙専門職の開発・維持
  • 宇宙システム開発の改良および調達
  • 官庁間および商業パートナーシップの強化

にわけて論じられています。

国際的協力

これは、さらに

  • 宇宙における米国のリーダーシップの強化
  • 国際強調の領域の識別および拡充

が論じられています。

宇宙活動の長期的維持の拡大のために宇宙環境を維持すること、有効な輸出政策については、ちょっと省略します。

原子力発電・推進(Space Nuclear Power and Propulsion )

原子力推進については、こんなビデオがあります。でもって、原子力宇宙システムについての大統領覚書は、こちら。安全についての政策を準備し、発射についての認可システムが準備されています。

電磁スペクトラムの保護

電磁スペクトラム(EMS)については、まず、一般的な知識としては、NASAのビデオがあります。(なぜか、スペクトルと書くこともあるようですが、音的には、スペクトラム。こんなビデオもあったりして)

軍事的には、こんな論文があります(電磁スペクトルにおける米国の軍事的課題と対応 切通 亮(防衛研究所紀要第 21 巻第 1 号(2018 年 12 月)) )。

でもってお勉強のために訳出

  • 米国政府、その同盟国、パートナー、および米国の商業利用者による宇宙利用を支援するために必要な電磁スペクトラム及び関連する軌道の割り当てへのアクセス及び運用を保護することを求める。
  • 通信、航法、地球観測を含む、既存及び将来の宇宙を基盤とした能力を維持するために必要な電磁スペクトラムを保全し、保護する。
  • 宇宙能力の取得を承認する前に、電磁スペクトラム及び軌道割り当てに関する要件を明示的に 取り扱う。
  • 安定した予測可能な国内及び国際的な規制の枠組みを調整し、米国によるライセンスされた宇宙サービスとシステムの競争力を可能にし、支援する。
  • 米国からライセンスを取得する商用宇宙通信事業者を阻害する可能性のある規制上の障害を除去または合理化することを求める。
  • 商業用、政府用、共用用に周波数を再割り当てする前に、政府の宇宙システム事業者と協力して、運用上、技術上、政策上の影響評価を徹底して実施し、公表する。
  • 商業利用、民間利用、国際的なパートナーと協力して、周波数干渉電波の発生源を検出、特定、位置特定、特定するための能力と技術を向上させ、米国の重要な宇宙システムが動作する電磁環境を維持するために必要な措置を講じる。
  • 類似の商業用地球局に付与された規制上の承認と整合性を保ちながら、商業所有の衛星で運用する米国政府の地球局に対 して、米国の国内規制の下で適切な規制上の承認を求める。
  • 周波数アクセス、効率性、有効性を向上させるための先端技術、革新的な周波数利用方法、周波数共有ツールや技術の研究開発に優先順位をつける。

米国スペースシステムのサイバーセキュリティ

  • 宇宙システムとそれを支えるインフラ(ソフトウェアを含む)をリスクベースのサイバーセキュリティに基づいた情報を用いて設計、開発、運用されて確保するように努める。
  • 産業界と協力し、宇宙システムへの不正アクセスを緩和するための宇宙システム計画 機能、脆弱性の低減、地上システムの保護、サイバーハイジーンの実践、およびサプライチェーンのリスクを管理するサイバーセキュリティ計画の開発と統合を奨励する。
  • 省庁間、同盟国、パートナー、商用宇宙システムのオペレーターとの協力 ベストプラクティスと緩和策の開発と採用を促進する。
  • 必要に応じて広く採用されているベストプラクティスと基準を規則の作成に活用する。
  • 宇宙システムの設計と運用に特化したミッションリスクアセスメントを通じて政府宇宙システムの適切なサイバーセキュリティ対策を決定する。

国家重要機能の保証

  • サービスの継続性を維持するために必要な技術、対策、関係性、能力を開発することにより、宇宙を利用した国家の重要機能を確保する。
  • 選択された宇宙船とそれを支えるインフラの保護、サイバーセキュリティ、回復力を強化するための努力を追求する。
  • 定期的に運用に焦点を当てた演習を実施し、国家的に重要な機能の継続性をテストする。
  • 自然または人為的な混乱に起因する環境の破壊により劣化した宇宙空間における重要な機能と連邦ミッションの保証の継続性をテストとする実践的な演習を定期的に実施する。
  • 宇宙システムが破壊されるシミュレートしたものを、省庁間および国家的な 演習を行います。
  •  宇宙および非宇宙の兵站・非兵站の設計、取得、指揮統制・演習・運用を通じて、ミッション保証とアーキテクチャの復元力に対処する

となります。当然ではありますが、軍事的色彩もかなりでているかなという感じですね。

次は、セクターガイドラインになります。

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