米国宇宙政策2020年の分析の続きになります。
セクター別ガイドラインになり、対象となるのは、商用宇宙ガイドライン、民間(civil)宇宙ガイドライン、国家安全保障宇宙ガイドラインです。
それぞれを簡単にみていきます。
商用宇宙ガイドライン
本方針の目的上、「商業的」という用語は、民間企業が提供する商品、サービス、または活動を指し、その活動に対する投資リスクと責任の妥当な部分を負担し、コストを制御し、投資収益率を最適化するための典型的な市場ベースのインセンティブに従って運営され、既存または潜在的な非政府の顧客にそれらの商品またはサービスを提供する法的能力を有している。
ということになります。これは、さらに堅固な商用宇宙産業の促進、国際通商協定、新奇な活動のミッション承認(Mission Authorization of Novel Activities)、宇宙衝突警告手段の開発に分かれます。
興味深いところだと新奇な活動のミッション承認(Mission Authorization of Novel Activities)というのは、
- 計画されている宇宙活動が、国際的な義務を満たすために必要な既存の認可及び監督プロセスの範囲を超えているかどうかを特定する。
- 必要に応じて、国家安全保障と公共の安全の利益に合致し、承認の推定と迅速な不服申し立てプロセスを伴う、そのような活動のための、最小限の負担で、対応可能で、透明性があり、適応性のある審査、承認、監督プロセスの開発を主導する。
となります。また、宇宙衝突警告手段の開発というのは、宇宙物体データベース、データ標準・インテグリティ手段、居住宇宙物体の共通理解、宇宙活動の安全性のための標準実務の開発、商用ガイドライン等の開発を含んでいます。
民間(civil)宇宙ガイドライン
これは、さらに、宇宙科学・探検・発見、地球の表面・環境・天候の観測、地表リモートセンシングに分かれています。
宇宙科学・探検・発見には、月着陸、火星着陸へのプログラム の率先、ISSk 運用、低軌道の経済活動の促進、発射エージェントの継続、パートナーシップ要請の継続、宇宙探索技術の率先、ロボティッグプロゼンス、宇宙科学の指揮などが含まれています。
地球の表面・環境・天候の観測は、宇宙を利用した地表・海洋・大気の観測・研究・解析とそれらの相互作用に関する幅広いプログラムを継続・充実させ、地球上の生活の向上を図ることとされ、NASA、商務省、NOAA、国防省などの活動が触れられています。
地表リモートセンシングにおいて、内務省は、米国(United States Geological Survey (USGS)を通じて、統合予測学を指揮すること、地表データの運営要件を決定銑ことなどをすることがのべられています。
国家安全保障宇宙ガイドライン
米国は、安全で安定した、アクセス可能な宇宙領域を求めており、これは、宇宙における米国と同盟国の利益に挑戦しようとする競争相手の結果、戦争になる領域となっています。
とされて、シンクロされた国家安全保障領域、国防省、インテリジェンスコミュニティごとの事項が論じられています。