プライバシの値段

「プライバシー保護は別料金で – AT&Tが低額な光ファイバーサービスを提供」という記事が出ています。

プライバシが、他の契約条件とも比較考慮されるトレードオフの対象であることは、いうまでもありません。IPAの報告書岡田先生との論文は、その点をテーマにしています。

むしろ、契約(これならば、インターネット接続サービス)に付随する条件ということができるので、従たる条件として、通常は議論されないのに、プライバシの選択として独立にされているだけで、プライバシの重要性を示していると見ることができます。

あとは、この料金の設定の妥当性(そして、これは、その市場における競争によって是正される)、あと、デフォルト値をどうするのか(センシティブに対しては、オプトインにするべき)ということについての議論がなされることになるでしょう。それで、調整が図られることになるかと思います。

Contextといったときに、市場の競争状態までが影響するということが上の例でも見えてくるかと思います。するとプライバシ侵害感を緩和するのに、競争を活発にするのが有効という理屈になってきます。プライバシというのが、きちんと定義されていない証拠かもしれません。

関連記事

  1. PEPPOLとUBL
  2. シンポジウム「電子契約の過去・現在・未来-書面・押印・対面の見直…
  3. 3条Q&Aの罪 「悔い改め」たのか?-第3回 デジタル…
  4. 邪教としてのデータ保護教
  5. 電子署名Q&Aについて
  6. 国や地方公共団体の契約事務と立会人型-第3回 デジタルガバメント…
  7. Internet Watch の記事「海の向こうの”…
  8. 山本龍彦先生のコメント@「デジタル技術と感染症対策の未来像」座談…
PAGE TOP