FATF(Financial Action Task Force on Money Laundering)の会合が、先月、ブリスベーンで開催されて、Bitcoinなどの仮想通貨に対する規制強化が加盟国に提言されたということです。
具体的には、Guidance for a risk-based approach to virtual currenciesがでています。
(追加)--
この報告書は、本編と付録A(仮想通貨-主要な定義および潜在的なAML/CFTリスク)、付録B(非集権的コンバーチブル仮想通貨が支払いメカニズムとして機能するか)から成り立っています。
本編は、さらに1部(序)、2部(FATF標準の範囲)、3部(国および権限ある当局へのFATF標準の適用)、4部(FATF標準の対象組織への適用)、5部(仮想通貨支払い商品およびサービスのリスクベースアプローチの例)から構成されています。
また、”Guidance for a risk based approach Prepaid Cards,Mobile payments and Internet-based payment services”というガイダンスがあって(NPPSレポート)、これも参考なるものと思われます。
---
自民党IT戦略特命委員会に関連する資料があがっています。
犯罪収益移転防止法についての今後の改正動向を眺める必要があるのかもしれません。
報道では、「ビットコイン取引を規制へ 金融庁、仮想通貨の監視強化」という報道もあります。上記犯罪収益移転防止法だと警察庁が担当なんじゃないの?ということもいえて、この報道が、上記のFATFを受け、ての動きとどういう関係なのか、よく分からないところです。(AML/TFの懸念から規制づくりを求められていた、という表現もあったりします)
—-
7月16日追記
でもって、この文脈で関連する制定法だととりあえず、(1)外為法(2)資金決済法(3)犯罪収益移転防止法があげられることになります。
(1)は、両替業務を「業として外国通貨又は旅行小切手の売買を行うこと」と定義しています。外国通貨とは、本邦での強制通用力を有しない貨幣と定義すれば、いいので、そのような方向は、十分にあるかなと思っています。
(2)の資金移動サービス(資金決済法第37条)について、「内閣総理大臣の登録を受けた者は、銀行法の規定にかかわらず、資金移動業を営むことができる」と規定しています。これは、業者のウォレットに対して適用されるかを検討することになるかと思います。
(3)は、そのまま、適用範囲の拡大ということでしょうか。