大門未知子は、2045年にコロンブスに勝てるのか?-手術支援ロボの法律問題

大門未知子といえば、「私、失敗しないので」なわけですが、シンギュラリティが来ても彼女の名前は残り続けることができるのでしょうかというお話です。

しんちゃんとのコラボの画像はこちらです

ドクターXは、シーズン5(2017))が、Ai時代における医療をテーマにしていました。そこで、出てきて出てきていた手術ロボの名称は、コロンブスでした。もっとも、この分野でのデフォルトは、インテュイティヴ・サージカル社のダヴィンチで、コロンブスは、それをパロっていわけです。ちなみに、レオナルド・ダ・ヴィンチは、解剖学での業績もあったんですね。インテュイティヴ・サージカル社のティッカーは、ISRGですね

大門未知子は、では、ドラマでは、コロンブスという手術支援ロボに勝つわけですが、今後、そのようなことが続くのかという問題です。これを考えさせてくれる記事が、日経新聞の2021年12月22日の「手術ロボ、執刀データが「肝」」という記事です。

この記事では、ダ・ヴィンチに対して、メドトロニックが新規参入を図っていること、あとは、我が国においても、メディカロイド(ヒノトリのビデオは、こちら)やリバーフィールドが参入をし、こころみようとしていること、などが紹介されています。

そして、

ある大学病院の医師は「重要になるのは手術のデータ化だ」と指摘する。競争の軸がロボットのハードウエアからAIなどの頭脳に移っていくという。

ロボットを使うことで、手術中のアームや器具の動きなど執刀の一部始終をデータ化できる。蓄積したデータと名医の治療実績などを照合・解析すれば、AIが切除部位を示したり、ロボットアームの動きを誘導したり手術の自動化が進む。

とデータが重要であることが示されています。

だとすると、現在、ダ・ヴィンチ(手術支援システム)の手術データは、どうなっているのでしょうか、また、患者のデータをベースにした手術の術式の成功率とかはだれが保有しているのでしょうか。革新的な術式が発明された場合、そのアイディアは、だれが保有するのでしょうか。

「蓄積したデータ」といっていますが、結局は、そのデータは、それらのハードウエアの利用にともなって作成されるデータになるわけです。これらについて、どのような利用契約がなされているのか、というのは、学問的に非常に興味があります。究極のプラットフォームということになるような気がします。

その意味で革新的な術式に対して、何らかの医師のアイディアを保護する仕組みがあってもいいのではないか、というのは、ひとつの問題意識になりますが、この問題を考えるには、十分な研究が必要になるような気がします。

 

 

関連記事

  1. 「データ主権」の正しい用語法-国家主権の通信における側面
  2. AIのバイアス-第9回 成長戦略ワーキング・グループ (1)
  3. コロナウイルス(Covid-19)とGDPR (28) 事業場と…
  4. 英国労働党のデジタル戦略@国王のスピーチ2024、データアクセス…
  5. コロナウイルス(Covid-19)とGDPR (10)-Goog…
  6. コンタクトトレーシングのPIA COVIDSsafe (5) デ…
  7. チャットボットを作るときに気を付けるべき唯一つのこと
  8. イタリア政府の国際法のサイバースペースに対する適用のポジションペ…
PAGE TOP