医療機器を考える時に、ヘルスソフトウエアの概念をみておくといいです。
ヘルスソフトウエアというのは、「パソコン、タブレット端末、モバイル端末等の汎用(非医療用)コンピューティングプラットフォームで実行可能な健康・医療等の目的で使用するソフトウェアのうち医薬品・医療機器等法の規制対象とならないソフトウェア」をいいます。
で、医薬品・医療機器等法の規制対象って何となります。
「医療機器プログラム( 医療機器のうちプログラムであるもの)」(同法2条13項)という概念があります。これに関して「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について」(薬食監麻発 1114 第5号)があって、
(1)プログラム医療機器により得られた結果の重要性に鑑みて疾病の治療、診断等にどの程度寄与するのか。
(2)プログラム医療機器の機能の障害等が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれ(不具合があった場合のリスク)を含めた総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか
というので、医療機器という認識がされます。なので、機器といっても有体物である必要はないのです。deviceの訳なのでしょうか。
そして、医療機器は、機器の種別ごとに分けられています。これは、国際医療機器名称GMDN (Global Medical Device Nomenclature) を積極的に取り入れたもので、日本医療機器名称JMDN (Japan Medical Device Nomenclature)とされています。
一般医療機器(クラスⅠ)
「(略)人の生命及び健康に影響を与えるおそれがない」(医薬品医療機器等法第二条第7項)
管理医療機器(クラスⅡ)
「人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なもの」(同第二条第6項)
高度管理医療機器(クラスⅢ、Ⅳ)
副作用又は機能の障害が生じた場合(適切な使用目的に従い適正に使用された場合に限る。次項及び第七項において同じ。)において、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なもの(同第二条第5項)
ということですね。そして、その種別ごとに、生命・健康に影響を与える恐れに対する対応が区別されています。