タリン・マニュアル3.0パネル@CyCON2022

エストニア・タリンで開催されたCyCON2022でのタリン・マニュアル3.0パネルがYoutubeビデオで公開されていますので、分析したいと思います。

まずは、ビデオは、こちらです。

メンバーは、Michael Schmitt(おなじみ)、 Johanna Weaver( Director of the Tech Policy Design Centre at the Australian National University.)、 Brig. Gen. Paul Ducheine(Professor for Cyber Warfare at the Netherlands Defence Academy )
Marko Milanovic(Professor of Public International Law at the University of Nottingham School of Law.)先生がモデレーターです

マイク・シュミット先生から

1  マイク・シュミット

  • 国家のみが国際法を作ることができ、作ってきた(ちょっと議論あり)。
  • 人々が実際に使っている本であること
  • 国際刑事法での知的財産の扱い、投資法などの新しい問題がある

2 ディスカッション

  • UN GGEの内部でのタリンマニュアルのインパクトは、間違いなく、影響的であるが、「絶対的な影響力」かという点については、ちょっと違う。
  • 新しい専門家は、タリンマニュアルを机の上に置くくらい
  • 議論になると、論点は絞られるので、そこで、どの程度影響力があるかというと、そうではない。交渉というのはそういうもの。
  • ロックダウンになると、タリンマニュアルが、どのくらい影響していたかはわかりにくくなります。
  • 軍事作戦についてのオランダの経験からすると、憲法は、国際的法的秩序(international legal order)を促進することを定めています(90条)。条文はこちら
  • どのようにサイバー攻撃に対して、対応するか、というのに対してマニュアルは、使われます。統合された対応は、法的な背景があります。
  • タリンマニュアルは、どういう問題があるか、どのようにして行うかというのは、教えてくれます。
  • タリン・マニュアルは、最初の現代的なマニュアルということだった。
  • 技術的なレベルは、初歩的なものであって、それに対応したのが比較的成功した理由だと考えられる。
  • また、脅威が存在しなかったというのが成功の理由でしょう。
  • 反対する国は、アメリカだったわけですが、どうしてでしょう。
  • タリンマニュアルには国が参加しうる手続を確保しています。こちらの単語のほうがいいという提案してくれる国もあります。
  • 曖昧さ自体に意味があると考える国もある(戦略的曖昧さ)。シュミット先生は、危険であると考えています。ロシアは、グレイゾーンを見つけてくる(選挙への影響作戦が例)。
  • (ポール)タリン3.0に必要なことは、ケースロー、制裁の方法、EUツールボックス、などでてす。
  •  ケースローといっても、欧州人権裁判所で、欧州のバイアスがかかるのではないでしょうか。
  • 一方、タリンマニュアルについては、NATO のドクトリンではないかというバイアスがありました。
  • 戦略的曖昧さは、時代後れの考え方であるといえでしょう。
  • 政府内には、いろいろな考え方があるでしょう。グレイゾーンがあって、リーガルリスクを明らかかにすることが仕事であるといえるでしょう。

3 フロアとの質疑

  • いろいろな意見がでてくるが、どのように対応するかという質問に対して、国は、その背景の論理を明らかにしないのは、そのとおりだが、ほ的な見解はマニュアルに記してあるはず
  • 3.0以降、南フランスで引退するつもり(シュミット-冗談)。
  • COVID以降、技術が進化しているのではないか、技術者に対しても影響をおよぼすべきではないか
  • (シュミット)技術者が手伝ってくるれる、wirehead(?)、CCDCoEにも技術分門がある。
  • (Weaver)技術が進歩しているが、それとは別に法は、本質的なところでは変わらないのではないか
  • (シュミット)タリン1とタリン2では、パイプについての合理的な注意のところが違っている。リールが具体的に記載されている。
  • (Milanovic)オンラインスピーチ、オンライン自由は、国家が関与しているところではないのが、重要なのではないか。
  • サイバー攻撃という新しいワインを古いボトルにいれていなるのではないか、というのについては、国家は、そのような行動をできるか、ということで、いまひとつは、どのようにしてできるかであり、どちらにしても前に進まなければならないということです。
  • 非国家主体については、タリンマニュアル3.0でみたいところです。ボランティア・パルチザンの話とかですね。
  • タリン3.0にいれるべきなのは、直接的参加の問題(特に、人道法違反の行為を防止する米の行為の問題)、中立性の問題(適格中立性の議論は、争いがあります)、

タリン・マニュアル3.0がどのようなペースでできるのか、また、どのような点がアップデートされるのかというのは、興味深いところです。非国家主体のあたりは、必要だとおもうところです。あと、ロシアのウクライナ侵略による影響(特に中立法規)もかならず追加されるだろうとおもいます。それ以外だと、人権法的なところがはいってくるのか、というのは、どうなんでしょう。

来年度は、是非とも訪問したいところです。会社への調査のご依頼お待ちしています。

 

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