スケートボードの脆弱性

スケートボードの脆弱性が公表されています。
http://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2015/JVNDB-2015-002216.html

「IoTの時代には、このような問題も起きますね。」というのがコメントかと思います。が、よく見ると脆弱性早期警戒パートナーシップの枠組みを超える問題が提起されていることを指摘すべきかと思います。

そもそも、脆弱性というのは、「安全性上の問題箇所」いうわけ(ソフトウエア等脆弱性関連情報取扱基準)ですが、一般には、情報セキュリティ上の問題点と解されてきています。だとすれば、脆弱性によって発生する影響も、情報処理関係のCIA(機密・インテグリティ・可用性侵害)に対する評価がなされるべきものと解するのが素直なわけです。

ところが、この公表では、「身体的損害の原因となる、または物理的損傷の原因となる」という点が全面にでています。確かに、CIAの侵害の程度も大きいのかもしれませんが、むしろ、身体傷害を引き起こすというのが重視されているのでしょう。

この問題は、セキュリティと安全との交錯というべきものかと思います。安全(許容できないハザードから免れる状態)を脅かすセキュリティの脅威がある場合に、IPA の仕組みは、どのように対処すべきか、自動車、飛行機、手術用ロボからはやりのドローンまで、どのような枠組みをつくるべきか、というのが次の問題になるかと思います。

 

関連記事

  1. 警察法の一部を改正する法律案を分析する-重大サイバー事案とサイバ…
  2. 「基礎の修復:サイバー脅威情報共有が期待に応える方法とNATOへ…
  3. 積極的サイバー防御の「司令塔」新設へ…自衛隊や警察庁の指揮・民間…
  4. オンラインでの個人識別.検証-第9回 成長戦略ワーキング・グルー…
  5. 2019年米国・セキュアで信頼できる通信法-ファーウェイ排除の根…
  6. 情報処理 2017年11号「IoT時代のセーフティとセキュリティ…
  7. アトリビューション-サイバー攻撃 名指し「反撃」
  8. 外為法の居住者への特定類型アプローチの導入
PAGE TOP