吉井和明先生より吉井和明/後藤大輔「いわゆる非中央集権型取引所の概要と取引所に対する差押えに関する一考察」所収の金融法務事情2094号をお送りいただきました。
ありがとうございます。
論述の趣旨としては、
中央集権型(Centralized)の仮想通貨取引所として「取引所の利用者が事業主体に対して自身のウォレットに関する秘密鍵およびウォレット内の仮想通貨を預託し、それらが運営主体の管理のもとで集積している状態」を考察するとともに、
非中央集権型(Decentralized)の仮想通貨取引所として「運営主体(運営会社)が存在せず、外部ネットワークをベースとした自律的なプラットフォームの運営がなされていること、②上記のような運営主体が存在しないがゆえに、取引所の利用者が自身のウオレットに関する秘密鍵やウォレット内の仮想通貨を取引所の運営主体に預託することはなく、あくまで利用者自身による管理のもとで、取引所内での取引を実行する」を考察する、
そして、
非中央集権型仮想通貨取引所は「取引所は、利用者を外部ネットワークへ接続させる役割しか果たしておらず、強制執行においても、非中央集権型取引所を第三債務者とすることには理論上の障害が多い」
というものです。
(トークン等については省略)
どうも、論述の趣旨が把握できなかったというのが正直なところです。
法的な話としては、法的な主体としての仮想通貨取引所が、仮想通貨を保有する場合とそうではない場合があるということでたりるように思えます。
わざわざ、「非中央集権型仮想通貨取引所」という「取引所」ではないものに、法的主体性をもっているかと誤解させるような名称を付して、あたかも新たな概念かのように論じているように思えてしまいます。
私の誤解であれば、ご教示をいただきたいと考えているところです。