岡田仁志著「決定版 ビットコイン&ブロックチェーン」

岡田先生より「決定版 ビットコイン&ブロックチェーン」を献本いただきました。
2015年4月に岡田先生、山崎先生と仮想通貨を出版したのですが、その後の3年間の進展はすさまじく、仮想通貨関係では、いわゆるFinTech法の通貨があり、マネーロンダリング関係では、アルファベイのオペレーションがあって、さらにビットコインのハードフォーク、コインチェック事件などときわめててんこ盛りな状態です。
このような混沌とするビットコイン・ブロックチェーンに関する状況の客観的かつ平易な解説としてのまさに決定版として出版されたのが本書という位置づけになるかと思います。
特に仮想通貨の分裂(3章)、ブロックチェーンエコノミーの時代(4章)などは、この数年の進展を整理しているものということができるかと思います。

その一方で、仮想通貨の法的な規制をめぐる議論、ゲーム内アイテム交換価値の議論、ICOブーム、アルファベイ事件など、サイバーペイメントまわりの議論としては、ふれていないものもあります。それらについては、今度は、私の順番になるのかもしれません。
仮想通貨をめぐる本については、昨年来の投機ブームをあおるかのような本が売れているように思えますが、表面的なブームから一歩踏み込んで、きちんと学びたい人にとっては、購入すべき学問的な裏付けのある本としておすすめできると思います。
 

関連記事

  1. 初体験/アラゴン・ハイ-DAOの法律問題-ワイオミングDAO法翻…
  2. Facebookの「リブラ」複数国のデータ保護当局が共同で懸念を…
  3. DAOを作る/作ってみた時の法律問題
  4. NFT電子印鑑は、「信頼できる電子署名」(UNCITRAL)であ…
  5. 岡田仁志「リブラ 可能性、脅威、信認」5章を読まないで、プライバ…
  6. 「暗号資産」の用語について (1)
  7. カンボジアでの中銀デジタル通貨-第9回 成長戦略ワーキング・グル…
  8. 「中央銀行テジタル通貨に関する法律問題研究会」報告書
PAGE TOP