小室圭「社会的企業のためのクラウドファンディング法の改革に向けた課題と示唆」を読んでみた。

「社会的企業のためのクラウドファンディング法の改革に向けた課題と示唆」(Challenges and Implications for Potential Reforms of Crowdfunding Law for Social Enterprises)を読んでみました。著者は、小室圭(当時、フォーダム大学ロースクールの生徒)さん。リンクは、こちら。この論文集の68頁。

構成lは、

    • A 社会的企業とクラウドファンディング
    • B 課題/詐欺・ファンドレージング・ファンディングポータル
    • C ロードマップ
  • パート1 詐欺と現実
    • A 詐欺の概念と対応措置
    • B 規則
    • C 規則における「ブランクスペース」の潜在的結果
  • パート2 資本増強の資本限度額の制限
      • A クラウドファンディングを通じて100万ドル以上をどのようにファンドレイズするか、
      • B 多額のファンドレイジングを行う副作用
      • C アントレプレナーの利用可能なクラウドファンディングのバラエティ
  • パート3 ファンディング・ポータルの限界
    • A ファンディング・ポータルのインセンティブ
    • B  ファンディング・ポータル支援に第三者ができること
    • C 潜在的な改正の必要性
  • 結論

となっています。

クラウドファンディングに影響を与える主要なルールの一つにクラウドファンディング規則があります。2015年、米国証券取引委員会(SEC)は、2012年に制定された「Jumpstart Our Business Startups(JOBS)法」のタイトルIIIの要件を実施するために、クラウドファンディング規則を採択し、2016年からクラウドファンディングのSECへの登録を免除し、企業が一定の条件の下で資本を調達できるようにしました。この規制では、12カ月間に調達できる資本金を100万ドルに制限しています。また、投資家にも制限があり、年収10万7,000ドル未満の投資家は2,200ドルまたは年収・純資産の5%まで、年収10万7,000ドル以上の投資家は年収・純資産の10%までの投資が可能となっている7。募集は、登録ブローカー・ディーラーまたは資金調達ポータルを通じて行わなければならず、広告は “簡単な告知 “のみとなっている。

ということです。でもって、「社会的企業」というのは、

「社会的なニーズ」に応えるために、事業活動を通じて、経済的な目的だけでなく、社会的または環境的な目的をより明示的に果たすことを目的とした組織です。

という概念定義から、始まっています。

そして、いろいろな課題があることが序 Bで論じられます。詐欺の問題、限度額の問題などが論じられています。序 Cは、分析の概要なります。

第1部では、クラウドファンディングにおける不正行為に対する現行の法的アプローチである、情報開示や勧誘・広告の一般的な制限について疑問を投げかけています。代わりに、いくつかのツールがクラウドファンディングに付随する烙印(スティグマ)を減少させるのに役立つかもしれません。統計や上映会などがその例です。これらのアプローチは、法的な改革ほど大きな影響力を持たないかもしれない。しかし、現行の規制に欠けている部分は、起業家と投資家の両方に一定の柔軟性をもたらします。

本記事の2部では、レギュレーションクラウドファンディングによる資金調達が、社会起業家の唯一の選択肢ではないことを示唆しています。同時に、社会的企業に100万ドル以上の資金が必要なのかという基本的な疑問もあります。改革は起業家の機会拡大に役立つかもしれませんが、社会起業家は自分たちの社会的ミッションにコミットしていない投資家から資本を受け取るリスクを取りたくないのかもしれません。

第3部では、ファンディング・ポータルに焦点を当てる。ファンディング・ポータルができることの範囲は限られている。ここでは、何らかの改革が必要かもしれませんが、ファンディング・ポータルの裁量を明示的に拡大するような抜本的な改革は、投資家を傷つけ、ひいてはクラウドファンディング市場を毀損する可能性があります。むしろ、SECは、発行体に何ができるかできないかをポータルが知るための基準を明確にすることから始めることができるだろう。

ということです。

さすがに細かい点まで検討しても仕方がないので、なんですが、「社会的企業」に対するクラウドファンディングというのは、テーマとしていい目のつけどころだろうと思います。

また、論述の進め方もいい感じかと思います。

どこで、「社会的企業」の特殊性が入ってくるのだという感じはするのですが、そのような法律問題に対応する必要があれば、この論文に目を通してみるのもいいかなとかも思ったりしました。

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