「『発言者の特定禁止』という謎ルール」の謎を追う-チャタムハウスルール

「「発言者の特定禁止」という謎ルール」というきわめてインパクトの強い言葉がでていたので、チャタムハウスルールを調べてみました。

まずは、チャタムハウスから。2013年2月に調査でインタビューしに行きましたので、そのときの写真。

あと、入り口の旗をどうぞ

ということで、チャタムハウスは、英国の王立国際問題研究所になります。

私のブログでは、「宇宙-サイバーセキュリティの最後のフロンティア?」でも有名だったりします。

日本語でもチャタムハウスルールは、セキュリティ業界では、良く使われるので、解説がでていたりします。

「【CSIRT通信】セキュリティー業界でよく使われるチャタムハウスルールとは?」をどうぞ。

でもって、いままで、ルールは、知っていたけど、ご本家から解説が出ていたのは、きちんとみたことがなかったので、きちんとご本家の解説を読んでみます。ご本家の解説は、こちらです。

まずルールの定義から

チャタムハウス・ルールに基づいて会議またはその一部が開催された場合、参加者は受け取った情報を自由に利用することができますが、発言者や他の参加者の身元や所属を明らかにすることはできません。

趣旨は、

チャタムハウス・ルールは、複雑な問題を理解し解決するために、信頼できる環境を作るためのものです。その精神は、「受け取った情報は共有するが、誰が言ったのかは明かさない」というものです。

チャタムハウス・ルールに基づいて会議が開催された場合、参加者は受け取った情報を自由に使用することができるが、発言者や他の参加者の身元や所属を明らかにしてはならない。

ということで、決して謎ではありません。

ルールの説明
チャタムハウス・ルールに基づく会議は、チャタムハウスで開催される必要はなく、またチャタムハウスが主催する必要もない。

どのような分野のどのようなグループであっても、特にデリケートな問題が議論される場合には、イベントを運営するための事前合意されたガイドとして、このルールを使用することができます。

二極化した世界において、チャタムハウス・ルールを効果的に使用することで、人々を結びつけ、障壁を取り除き、アイデアを生み出し、解決策に合意することができます。

チャタムハウスで行われる会議、イベント、ディスカッションは、通常は「オフレコ」で行われますが、関連するケースではルールが発動されることもあります。規則が十分に厳格でないと考えられる場合には、イベントが「オフレコ」で行われることもあります。

ということです。

なお、FAQが準備されています。

Q. ルールが考案されたのはいつですか?
A. 1927年に考案され、1992年と2002年に改良されました。

だそうです。このメリットは、

A. 個人として発言することができ、組織の見解とは異なる意見を述べることができるため、自由な議論を促すことができます。また、引用された場合に自分の評判や影響を気にする必要がないため、リラックスして発言することができます。

あと、具体的な適用についての規則が明言されています。懲戒処分がきわめて重要です。参加禁止でしょうね。

Q. チャタムハウス・ルールはどのように適用されるのですか?
A. 法的拘束力はありませんが、チャタムハウスは、ルールに違反したメンバーやゲストに対して懲戒処分を行います。これは、イベントや会議を含むすべての研究所の活動から将来的に除外されることを意味します。

このような処分を受けることは稀ですが、規則を厳格に実施することは、規則の有効性と、開かれた自由な対話の場として信頼されるチャタムハウスの評判のために極めて重要です。

チャタムハウスが主催していないチャタムハウス・ルールに基づいて開催されるイベントについては、ルール違反を理由に取られる措置は、すべて主催者の裁量に委ねられています。

ということで、これって「謎」だとかいってしまうと、ブーメランになってきますね。もっとも、自分が知ったかぶりしたことがはっきりしたときはすぐに、謝るというのがいいんでしょうね。

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