BIS決済・市場インフラ委員会(CPMI)は、11月23 日、報告書「デジタル通貨」(原題:Digital currencies)を公表し、その日本語訳が、日本銀行のサイトにでています。
BISから、仮想通貨についてのコメントが出ているというのが、まず大きな意味かと思います。
(日本語訳をベースに読むと)
4ページの分類図は、私の図(仮想通貨 15ページ)と併せてみると、より理解が深まるかもしれません。
あとは、基本的に中央銀行との関係での議論なので、現在の流通程度では、あまり深刻な問題にはなっていない問題についての将来考察ということで理解するといいかと思います。
個人的には、
「多くの場合デジタル通貨は資産であり、需要と供給によって価値が決定される。概念的には、金等のコモディティに類似。しかし、コモディティと異なり、本源的価値はゼロ」という記載は、?です(日本語訳3ページ)。
「資産」っていう言葉をつかうって何よ、と思って原文を読むと「 digital currencies are assets with their value determined by supply and demand」ですね。私だと、「価値のある資産」といって価値を絶対に訳出しますね。このvalueは、書いている人は、monetary valueのつもりじゃないでしょうか。もしかすると、日本語の資産に伴う有体物感を払拭するのには、「貨幣価値のある取引対象」(金融商品っぽい)のほうが正確なんじゃないでしょうか。
ソブリン通貨だって、本源的価値があるの?とか思っています。
(この点は、貨幣を専門的に研究する人の間では、「本源的価値」とかいうような言葉って使うのかな、って思っています)
抄訳で読む限り、法律的な背景を念頭に分析はされていないという感じはします。英語も時間があったら読んでみたいなあと。(まあ、予算があったら読みますよ-いかがでしょうか>日銀関係者さま)